令和2年3月の体験ワークショップが、無事終了しました
1月のワークショップに続き、3月20~22日の3日間のワークショップも無事終了することができました。このような社会情勢下、多数のご参加をいただきありがとうございました。
ワークショップでは毎日お話が「できあがり」ます。私が台本を用意するわけでも、指示をするわけでもありません。ワークショップでは台本を使わずに即興劇の手法でお芝居を作るので、役者の(子どもの)即興のやりとりでお話ができあがっていくのです。 この文章の終わりに、出来上がったお話を載せておきます。
一番下は年長さんの子も、はじめてのところが苦手な子も、集団が苦手な子も、どの子も自分の役のアイデアを出してきて、私はそれを交通整理しました。
ストーリーはいつもなりゆきです。終わりそうなのに二転三転させるアイデア一杯の子どももいて、まとまらないんじゃないかとハラハラさせられたりします。人と関わるのが苦手で、会話して欲しいときに避けてしまう子もいます。でも、それが役の個性として際立って、笑いをとれたりします。バラバラに、みんな違う舞台に向かっているようなのに、なぜかはじめからそうやって作るつもりだったみたいに、出来あがった舞台はいつもちゃんとまとまっています。
毎回、終わってみると誰も思っていなかった舞台が出来ます。なのに、みんな、自分が全部考えたように満足できるのが、即興劇の不思議なところです。
るびでは1月、3月とワークショップを行い、20人の子どもたちが演劇を体験しました。どの子もワークショップ前は不安になるそうです。「行くのやめる」と言っていたと、何人もの保護者さんから伺いました。でも、終わってみれば、ほぼ全員が「やってみて楽しかった、もっとやってみたい」と言っていたとも聞いております。
それは、ワークショップを体験した全員が、るびに来ることになったことからもうかがえます。ワークショップで行った即興劇「エチュード」の手法ではなく、ごっこ遊びから演劇へと派生する「インプロ」のプログラムもはじめました。低学年の子は特に、インプロの方が好きなようです。ワークショップよりもさらに楽しそうにしています。
今後るびは、ゴールデンウィークの発表会、そして8月公演を予定しております。この4月から、発表会に向けた練習をはじめます。
一番の目的は子どもたちの成長ですが、つまらない芝居を作っても、子ども自身が楽しめません。ワークショップでは1時間でこれだけのものができたのですから、1か月かけたらどれだけのものが作り上げられるのか、作り込めるのか、楽しみにしています。
1日目のお話。
…鬼の新幹線技師が、鬼の山で新幹線を改造しているところへ、アシルガという足の怪物(?)がやってきて、山を壊そうとします。その途中、カメを踏んでしまったので、浦島太郎が怒ります。戦う2人。鬼の新幹線技師はそれに無関心で、ポツリ、と何か言って通り過ぎるだけです。さわぎを見つけたユーチューバーが取材にやってきたりもしましたが、勝負はつかないまま2人は疲れ切って倒れてしまいました、と言うお話になりました。
2日目のお話。おじいさんが海岸でもちをついているところに、半魚人がやってくるところからはじまりました。
半魚人はもちを財宝で買おうとしますが、そんなに受け取れないと、おじいさんはタダでもちをあげることにします。それを陰で見ていた桃太郎、その財宝を盗んでしまいます。おじいさんは桃太郎に気がつきました。おじいさんは、桃太郎を育てたおじいさんだったのです。財宝がないのに気づいて戻ってきた半魚人が見たのは、本性をあらわした悪の桃太郎とおじいさんの戦い。半魚人は警察を呼びます。やってきた警官は、桃太郎を撃ち殺してしまいました。悲しむおじいさんが「生き返っておくれ」と頼むと、赤ん坊に戻った桃太郎があらわれます。今度は正しい桃太郎に育てるとおじいさんが誓って幕になりました。
3日目は、花畑の星に住む魔女っ子2人の話です。
魔女っ子たちは自分たちの猫のために、お花やちょうちょを魔法で作っていました。旅人がやってきて「なんてきれいなんだろう」とほめていると、悪い魔物がやってきて、花畑も星も壊してしまうと言います。怖くなった魔女っ子はエルマーを呼びました。戦うエルマーと魔物。相打ちになりました。ちょうちょがお医者さんを連れてきますが、医者は治さずに忙しく立ち去ってしまいます。旅人の発案で、魔法で魔物とエルマーを治してあげました。でも、魔物は悪いままで、反省しません。怒った魔女っ子は遠くまで魔物を吹き飛ばしてやりました。これにはさすがに魔物もこりて、一緒に花畑を作る約束をして、幕となりました。